夢破れて、古切手あり

今の人は信じられないかもしれないが、今から50年位前、記念切手が販売される時は、開店前の郵便局には長蛇の列ができていたものだ。

購入したら、もう一度列の後ろに周り、もう1シート買う。そんな事も当たり前だった。なぜか?切手は必ず値上がりして、50年後には、この切手を売れば、マンションが一個買えるくらいにはなると、皆、信じていたからだ。

私も母から、「大人になってどうしても困った時は、この切手を売りなさい。」と言われたものだ。

それから50年が経過した。調べてみるとどれ一つ値上がりしているものはない。仕方がないので、新しい切手に変えてもらおうとしたら、1枚に付き、5円の手数料がかかるということを知った。

つまりは値下がりということだ。まさか請求書の封筒に7円、15円、20円の切手を貼るわけにもいかない。しかも当時のお金の価値を考えると、考えられないくらいの値下がり率だ。

要するにみんなと同じ事をしていては絶対に儲からないという事。これを50年たった今、学んだわけだ。高い授業料だったな。笑

夢破れて、古切手あり。膨大な量のシートの切手。だが値上がりしているものもある。それは通常の切手だ。記念切手はみんなが買い集めたので、価値がないが、通常の切手はみんな何も考えずに使っていたので、これの数の方が少ないらしい。世の中、そんなもんなのだな。

 

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